2015年4月

2015年4月 6日 (月)

 近所のネコたちが裏庭にやって来る。鰹節の出し殻など残り物をやると可愛い声を出すので、さて、猫の好きなものは……と、スーパーで安い竹輪をたくさん買ってきた。ウニャウニャと喜んで食べる姿をみていて、そう、私も小さいとき、母の作る「ちくわの蒲焼」が好きだったなぁと、昔を思いだす。

 太めの焼き竹輪を開いて、平らになるよう切り込みを入れ、一口大に切り、片栗粉をまぶして油で揚げる。フライパンに酒、みりん、砂糖、しょうゆを入れて作ったタレに絡め、ご飯の上に乗せて食べるのだ。甘辛く、こうばしい香りが食欲をそそり、弾力のある蒲焼の噛みごたえが、子供の私にはご馳走だった。

 近所の子が、もう三日も「すき焼き」が続いて飽きた、というので、「羨ましいな、毎日牛肉が食べられて」と、よくよく聞いてみたら、その家のすき焼きは、牛肉ではなく、竹輪が入っているとか……。

 昭和30年代、その頃、竹輪は鰻や牛肉の代わりもしていたのだ。

 おでん、磯部揚げ、輪の中にチーズやキュウリを詰めて、お酒のつまみや子供のお弁当の隙間埋めにと、それからも、竹輪は食卓を賑やかにするのに活躍する。

 今、私が好きなのは「ちくわ」そのものを味わうこと。ぐち竹輪、レンコ鯛竹輪、いとより竹輪など、種類に富んだものが出回っていて、いろいろな味を楽しむことができる。贔屓のパン屋さんで売っている「ちくわパン」も、時々食べたくなる。輪の中にチーズとマヨネーズが詰まった竹輪が、柔らかいロールパンの中に埋まっていて、食感がなかなか絶妙。

 今のように冷凍技術も発達していなかった時代、竹輪は魚の保存食品として重宝されたそうだ。低脂肪、高タンパクな健康的食品として、海外でも人気が出始めているらしい。 

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 ネコたちのために買ってくる竹輪、我が家ではすぐに無くなってしまう。見ていると、夫や息子たち、猫にやりながら半分以上は自分の口に放り込んでいた……。

今回のごちそうさま日記も、 エッセイグループ「ごめんあそばせ」の方の作品をご紹介しております。